議会報告

2012.02.28 |定例県議会

2012年2月定例県議会(本会議)の一般質問の報告

1.建設行政について

(要望)
 「手賀沼・手賀川活用推進協議会」を活用し、手賀沼周遊道及び橋梁の整備等について、推進できるよう、国、県、周辺自治体が連携して進めていくことを要望する。

(1)県道千葉竜ケ崎線我孫子市布(ふ)佐(さ)地先のバイパス事業の進捗状況と今後の見通しはどうか。

答弁内容(県土整備部長 小池幸男)

1 県道千葉竜ケ崎線我孫子市布(ふ)佐(さ)地先のバイパス事業については、周辺の交通混雑の緩和を図るため、JR成田線布(ふ)佐(さ)駅の東側において、延長360メートルの整備を進めています。

2 JR成田線のアンダーパス工事については、平成23年5月に完成したところであり、平成23年度末の進捗状況は、事業費ベースで7割となる見込みです。

3 平成24年度についても、取り付け部のボックス工事を進めるなど早期供用に向け、事業の推進に努めてまいります。

(2)国道356号我孫子市都交差点の改良と県道我孫子流山自転車道線の整備については、布佐東部地区の復興計画と併せて行うべきと思うがどうか。

答弁内容(県土整備部長 小池幸男)

 我孫子市布佐東部地区は、昨年の東日本大震災により甚大な被害が生じたところであり、現在、我孫子市において、復興に向けた計画づくりを進めているところです。

 ご質問の、国道356号都交差点の改良と県道我孫子流山自転車道線の整備については、被災した当地区の復興に大きく貢献するものと認識しています。

 このため、県としては、これらの道路事業について、我孫子市が策定する復興計画の中で位置付けていただき、事業の実施に努めてまいります。

2.手賀沼の環境について

(1)手賀沼の水質浄化対策について
ア 第5期湖沼水質保全計画におけるCODの計画目標を達成できなかった理由について、どのように考えているのか。

答弁内容(環境生活部長 戸谷 久子)

CODの目標水質である1リットルあたり7.5ミリグラムを達成できなかった理由として

(1)目標年度である平成22年度のCOD排出量が、1日当たり3,013キログラムであり、目標とした2,990キログラムをわずかに上回ったこと

(2)目標年度である平成22年度は、年間の日照時間が多く、窒素や燐を栄養とする植物プランクトンが増殖した

ことなどにより、CODが高くなったものと考えられます。

(1)手賀沼の水質浄化対策について
イ 第6期湖沼水質保全計画の策定方針はどのようなものか。

答弁内容(環境生活部長 戸谷 久子)

1 第6期湖沼水質保全計画では、

(1)生活排水の未処理放流を改善するため、生活排水対策を重点的に推進する
(2)植物プランクトンを増殖させる原因となる窒素や燐(りん)を削減する
(3)市街地や農地からの排水による負荷の比率が高いことから、これらの対策を推進する
ことを方針として策定しているところです。

2 この方針を基に、

(1)下水道の整備
(2)窒素や燐(りん)の除去性能を有する高度処理型浄化槽の普及促進
(3)市街地等からの初期降雨による流出対策として、雨水浸透施設の設置
などを進め、計画的に汚濁物質を削減することとしています。

(2)現在の手賀沼におけるハス群落の拡大状況はどうか。また今後、県では、どのような調査を検討しているのか。

答弁内容(環境生活部長 戸谷 久子)

1 ハス群落については、県や流域市などで構成する手賀沼水環境保全協議会が現地調査を実施し、その範囲は、平成20年度と21年度では大きく変わっていないことを確認しています。

2 その後、群落が下流側に拡大している状況があると聞いていることから、手賀沼水環境保全協議会に、ハス群落の範囲を確認する調査について提案をしてまいります。

(3)手賀沼の放射性物質モニタリングについて
ア 国が公表した公共用水域における放射性物質の調査結果を、県はどのように考えるのか。

答弁内容(環境生活部長 戸谷 久子)

1 国による県北西部地域の河川や湖沼の調査結果では、手賀沼やその流入河川において、底質の放射性物質や空間線量率が、他の地域より高くなっています。

2 県としては、放射性物質は水の流れにより移動することから、その動きを把握することは重要と考えています。

(3)手賀沼の放射性物質モニタリングについて
イ 国がモニタリングを実施しなくなった場合、沼河口も含め蓄積される放射性物質のモニタリングについて、県としてどう考えるのか。

答弁内容(環境生活部長 戸谷 久子)

 県としても、手賀沼流域から河川や湖沼への放射性物質の移動や蓄積など、より詳細に把握することが重要と考え、県の環境研究センターにゲルマニウム半導体検出器など必要な測定機器を整備し、地元自治体や関係団体の意向も踏まえながら、継続的な監視調査を実施してまいります。

3.子ども医療費の無料化について

(1)子どもの医療費を中学卒業まで無料化することについて、いつまでに実現させる考えか。

答弁内容(知事 森田健作)

1 今回、保護者の経済的な負担が大きく、子どもの保健対策としての重要度の高い入院の医療費の助成について、中学校3年生まで拡大したいと考えています。
 これは、現在の厳しい財政状況を踏まえれば、大きな到達点と認識しています。

2 今後は財政状況を見ながら、これまでの対象拡大の効果を踏まえ、市町村の動向や医療現場の状況などをよく見極めながら、通院の医療費の助成について総合的に判断してまいりたいと考えています。

(2)単独事業により先行している市町村の現物給付に対して協力できることは何があるか。
また、積極的に提案等行う考えはあるか。

答弁内容(健康福祉部長 川島 貞夫)

1 市町村からは、独自助成部分について、現物給付できるようにしてほしいとの要望が多いことから、県として今後、システムの改修や、審査支払機関との調整を図り、市町村の判断により現物給付化ができるように環境を整備していく予定です。

2 また、市町村を対象とした会議等で、市町村の独自助成部分について現物給付化ができる旨周知するとともに、個別の相談等にも対応してまいります。

再質問
通院に係る医療費の助成については、平成23年12月現在で、28市町村が独自に助成をしている。厳しい財政状況下ではあるが、早期実現に向けて、知事の意気込みをお聞かせください。

答弁内容(知事 森田健作)

1 通院の医療費助成については、今後の財政状況を見ながら、市町村や医療現場の状況を見極め、判断してまいりたい。

(要望)
 通院にかかる医療費の助成については、ぜひとも早期に実現するようお願いしたい。
 現物給付化については、各市町村ごとに環境が違うと思いますが、県として、市町村からの相談にぜひ的確に対応していただきたい。

4.つくばエクスプレス沿線の企業庁用地の分譲状況はどうなっているのか。

つくばエクスプレス沿線の企業庁用地の分譲状況はどうなっているのか。

答弁内容(企業庁長 髙梨国雄)

1 つくばエクスプレス沿線土地区画整理事業区域内の企業庁用地は、柏・流山地区で約15.5ヘクタールあり、このうち仮換地指定を受けた、柏の葉キャンパス駅前用地約4.6ヘクタールをすでに分譲したところです。

2 今年度の分譲等は、平成23年4月1日に仮換地指定を受けた流山セントラルパーク駅前の企業庁用地約1.9ヘクタールであり、

(1)駅東側の140街区では、本年1月に入札を行い、入札金額約23億円で落札した医療法人財団と今年度中に分譲契約を締結し、平成26年度末までに総合病院が建設される予定となっています。

(2)また、駅西側の142街区では、地元地権者などと共同で地域密着型の大型店を誘致し、貸付を行うため、現在、3月初旬の入札に向けて事業者を募集中です。

3 今後、仮換地指定が予定される残りの土地は、約9ヘクタールであり、これらの土地については、仮換地指定後、速やかに分譲を進めてまいります。

5.雇用対策について

(1)国の第3次補正予算において、雇用創出基金事業はどのように拡充されたのか。

答弁内容(商工労働部長 久保 繁)

1 国の第3次補正予算において、被災地域への雇用支援として、災害救助法の適用地域を対象に「雇用復興推進事業」が創設され、本県では、我孫子市や旭市、香取市などの6市1町1区の企業及び自治体が対象となっています。

2 この事業は、被災地域の地場産業を支える企業が新たに従業員を雇用する場合に助成金を支給したり、市町村が地域の特性を活かして女性や高齢者を雇用する事業を実施する場合に助成を行うもので、本県には5億円が配分される予定です。

3 さらに、円高等の影響に対する雇用支援として、失業者の雇用の場を確保するため、「震災等緊急雇用対応事業」として、全国枠で、2,000億円が増額され、本県には、46億1千万円が配分される予定となっています。

(2)県は、拡充された雇用創出事業について、どのように対応していくのか。

答弁内容(商工労働部長 久保 繁)

1 新設された「雇用復興推進事業」については、4月からの事業開始に向けて、雇用対策の関係機関から意見を聞くなど、県の実施要領作成の準備を進めているところです。
 今後、本事業が雇用の復興に有効に活用されるよう、対象企業や自治体に対し積極的に働きかけてまいります。

2 また、「震災等緊急雇用対応事業」については、対象事業が拡充され、失業者のスキルアップを図る人材育成事業などの実施により、24年度は、県及び市町村において、約1,500人の雇用が創出される予定です。

3 厳しい雇用情勢が続いていることから、県では、市町村と一体となって、地域のニーズを踏まえながら、基金を積極的に活用し、雇用の確保に努めてまいります。

(要望)
 新しい事業は4月から開始されるとのことだが、現在の厳しい雇用情勢を踏まえ、地元市町村などと一体となって、スピード感をもって取り組んでいただきたい。

6.新エネルギーについて

(1)新エネルギー活用推進プロジェクトチームの取組状況はどうか。

答弁内容(商工労働部長 久保 繁)

1 プロジェクトチームにおいては、昨年9月に民間事業者や地域から寄せられたプロジェクト提案について、事業者ヒアリングを行うとともに、有識者会議を3回開催し、その円滑な事業化に向けた支援策や県としての推進方策を幅広く検討しているところです。

2 今後、電力の買取価格及び買取期間を踏まえた事業者の判断や、関連法制度の改正動向なども見極めながら、熟度の高いプロジェクトについて庁内横断的に事業化を支援してまいります。

3 さらに、県自らの率先的な取組みや県民への普及、市町村との連携なども含め、本県の当面の活用推進方策を年度末までを目途にとりまとめてまいります。

(2)今後どのように新エネルギーの活用を促進していくのか。

答弁内容(知事 森田健作)

1 新エネルギーを巡る今日の大きな流れは、関連する様々な製品やサービスの創造や融合を促すなど、地域や産業の活性化につながる可能性があると認識しております。

2 平成24年度においても本年度の検討成果を踏まえ、引き続き「新エネルギー活用推進プロジェクトチーム」を中心に、民間や地域による事業展開の支援を行い、特に、本県のエネルギー確保のモデルとなる取組みに対しては、新たに補助制度を設けることとしております。

3 また、産業の振興や未利用地の活用など幅広い視点から、本県の様々な政策課題における新エネルギーの活用可能性についても検討を深めたいと考えております。

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