議会報告

2012.10.02 |定例県議会

2012年9月定例県議会(本会議)の一般質問の報告

1.子育て・医療・福祉について

(1)私立幼稚園の施設修繕等に対する補助制度を設置すべきと考えるがどうか。

答弁内容(総務部長 髙橋 渡)

1 幼稚園の施設修繕等につきましては、子どもたちの安全な教育環境を確保するためにも、大変重要なことと認識しております。

2 現在、県では、緊急的な課題である耐震化について優先的に取り組んでいるところであり、昨年度創設した耐震化に関する補助制度により、施設の修繕を支援しているところであります。
 また、併せて、経常費補助金においても、修繕に要する経費を補助対象としているところです。

3 今後とも引き続き、これらの補助制度により、施設の耐震化等を促進しながら、幼稚園の環境整備を支援してまいりたいと考えております。

(再質問)私立幼稚園の中規模修繕に対し助成すべきと考えるがどうか。

答弁内容(総務部長 髙橋 渡)

 県内私立幼稚園の耐震化率は、全国平均よりも低い状況にあります。
 このため、県としては、緊急的な課題である私立幼稚園の耐震化に、優先的に取り組んでいるところであり、引き続き、耐震化の補助等を通じて、施設の環境整備を支援してまいります。

(要望)
 私立幼稚園の施設修繕に対する補助について、幼児教育における私立幼稚園の果たしている役割が大きいこと、また、私立幼稚園が大変厳しい経営を強いられている現状にあることを鑑み、県としても最大限の支援をしていくよう要望する。

(2)子ども医療費助成事業について
ア 早期に中学生までの通院医療費も助成対象とするよう、一層の拡大が必要と考えるがどうか。

答弁内容(健康福祉部長 川島 貞夫)

1 保護者の経済的な負担が大きく、子どもの保健対策としての重要度の高い入院の医療費の助成について、本年12月から中学校3年生まで拡大することとしておりますが、これは大きな到達点と認識しています。

2 今後は、小学校高学年以上の子どもの通院に係る実態を踏まえるとともに、市町村の動向や医療現場の現状などをよく見極めながら、通院医療費の助成対象の拡大について、総合的に判断してまいりたいと考えています。

(2)子ども医療費助成事業について
イ 所得制限や一部自己負担について、なくすことができないか。

答弁内容(健康福祉部長 川島 貞夫)

所得制限や一部自己負担については、子ども医療費助成事業を長期安定的な制度として維持していくために導入しているものであり、今後とも継続してまいりたいと考えております。

(要望)
 子ども医療助成に係る一部自己負担について、廃止するよう要望させていただきます。

(3)重度心身障害者(児)の医療費給付事業の現物給付化を早期に実施すべきと考えるが、その実施予定及び開始時期についての見解はどうか。

答弁内容(健康福祉部長 川島 貞夫)

1 現行の償還払い方式については、障害者ご本人や保護者にとって、大きな負担であるとして、これまでに、障害者関係団体等から現物給付化の要望が寄せられているところです。

2 また、市町村にとっても、申請の受付、支払等の事務負担が大きなものとなっているとして、同様の要望が寄せられています。

3 県としても、現物給付化は利用者の負担軽減や利便性の向上に資するものであると認識しており、障害者ご本人等のご要望を踏まえ、今後、事業の実施主体である市町村や、関係機関とも協議しながら、現物給付化について、実施開始時期も含め、具体的内容の検討に入ってまいります。

(要望)
 重度心身障害者(児)医療費の現物給付化については、今後、実施開始時期も含めて、具体的な検討に入るという答弁がありましたが、全国的に見ても、全体の6割を超える29都道府県で現物給付が実施されており、利用者にとって利便性の高い現物給付方式が主流となっています。
重い障害を持つ方々、そして、その御家族は、健康面での不安や、経済上の問題など、様々な困難を抱えながら、日々の生活を送っておられます。
 適切な医療を、大きな負担なしに安心して受けられる環境が整うことは、大きな安心感にもつながるものと思います。
是非、そうした方々の思いに応え、その負担を軽減するために、可能な限り早期に現物給付化を実現されることを強く要望します。

2.企業誘致について

(1)企業誘致に当たってはトップセールスが極めて有効であると考えるがどうか。

答弁内容(知事 森田 健作)

1 企業の立地は、新たな雇用の場の確保や地元企業との取引拡大など、地域経済の活性化に大きく寄与することから、あらゆる機会をとらえて、私自ら本県の魅力を積極的に情報発信し、企業誘致に取り組んでいるところです。

2 特に、トップセールスの一環として、例年、東京で開催している企業誘致セミナーは、毎年100名以上の経営者等を集めて実施してきたところですが、本年はこれに加えて、東京に並ぶ経済圏である大阪での開催も予定しています。

3 今後、成長著しいアジア圏を中心に企業の 海外移転が進み、一層、国内の地域間競争が激化する中で、トップセールスは極めて効果的な誘致方策の一つであり、様々な機会をとらえて、積極的に展開していきたいと考えています。

(2)県外への企業の転出を防ぐために、どのようにしているのか。

答弁内容(知事 森田 健作)

1 立地企業に長く事業活動をしてもらうことは、地域経済活性化の観点からも非常に重要です。

2 生産拠点の立地・移転は、企業経営上の最重要事項であり、その情報を把握することは大変難しいところですが、県ではアンケート調査や精力的な個別訪問などにより、立地企業の動向の的確な把握に努めているところです。

3 県内企業が、万が一移転するような事態が 生じた場合にあっても、極力県内に留まって もらえるよう、平成21年度において立地企業補助金制度を拡充し、県内移転についても対象とすることといたしました。
 今後とも市町村等と連携を密にし、速やかに土地情報を提供するなどきめ細かな対応に努めてまいります。

3.商店街の振興について

(1)商店街活動を推進していく上で、特に、活動の中心となる人材が重要と考えるが、その育成にどのように取り組んでいるのか。また、その成果はどうか。

答弁内容(商工労働部長 佐藤 忠信)

1 厳しい経営環境にある商店街の活性化のためには、それぞれの地域に愛着を持ち、自らが主体となってけん引していくリーダーの存在が不可欠であると考えています。

2 そこで、県では、若手商業者などを対象に「ふさの国商い未来塾」を開催し、全国の商店街の成功事例の研究や情報交換を行い、リーダーの育成に努めるとともに、卒業生を対象に「ふさの国商い倶楽部」を組織し、ネットワークづくりに取り組んでおります。

3 これまで、未来塾の卒業生は、242名にのぼり、それぞれの地域で若者のグループやおかみさん会を立ち上げて、イベントの開催や情報発信を通じて地域の活性化に取り組んでおります。

(2)県では、商店街に出店を希望する創業者に、どのような支援を行っているのか。

答弁内容(商工労働部長 佐藤 忠信)

1 近年、多くの商店街で空き店舗が増加しており、その対策としては、買い物客のギャラリースペースなどの設置によるコミュニティづくりのほか、新たに出店を希望しようとする創業者の支援も有効な手段であると考えております。

2 そこで、県では、千葉県産業振興センターを通じて、必要な知識や手続きに関するセミナーの開催、事業計画の作成支援など、創業者の育成に努めており、平成23年度には、345件の相談を受けたところです。

3 また、出店に必要な資金については、県制度融資に限度額2,500万円の創業資金を設けており、通常の事業資金より低い利率で融資を行っております。

4.新エネルギーについて

(1)本県が支援している重点支援プロジェクトをはじめとする県内の事業の進捗状況はどうか。

答弁内容(商工労働部長 佐藤 忠信)

1 再生可能エネルギーの固定価格買取制度が、本年7月から開始されたことを受け、県内でも、売電を目的としたメガソーラーを中心に民間の活発な事業展開が行われ、8月末時点で首都圏有数の規模となるなど、新エネルギーの導入に弾みがついております。

2 また、このうち、県が選定した重点支援プロジェクトについても、明後日、第一号として、株式会社新昭和による市原市内でのメガソーラー施設の開所が予定されるなど、概ね順調に進捗しております。

3 今後とも、メガソーラーに加え、物流施設や工場の屋根を利用した太陽光発電、地域の自然特性に応じた風力・小水力発電など、多様な取組が県内各地で進展するものと見込まれており、関係部局と連携しながら引き続き支援してまいります。

(2)新エネルギーの活用が地域の活性化に結び付くよう取り組むべきと思うがどうか。

答弁内容(商工労働部長 佐藤 忠信)

1 今後、普及が見込まれる新エネルギーは、売電目的の事業にとどまらず、地域社会や地域経済に新たな活力をもたらすものであり、この動きを観光やまちづくりなど地域の活性化につなげていくことが重要だと認識しています。

2 市町村においても、この機会を捉え、地域産業や観光など地域の活性化の起爆剤として、それぞれの特色を活かした取組の検討が始められたところです。

3 県では、現在、新エネルギーによる地域経済の活性化のあり方について調査・検討を行っているところであり、こうした検討の成果も踏まえながら、引き続き、企業や地域による先導的な取組を支援してまいります。

(再質問)地域の特色を活かした取組について、具体的にどんな事例があるのか。

答弁内容(商工労働部長 佐藤 忠信)

 重点支援プロジェクトにも位置付けられていますが、大多喜町の養老渓谷では、小水力の発電施設を作るということで、それ自体がひとつの魅力になるということもありますし、発電された電力を例えば遊歩道の街灯や、滝のライトアップに使ったりというような活用も今後、検討されるのではないかと思っています。
 また、この施設は、地元の中小企業の技術が活用されており、地域の強みを活かした取組としてこうした事例がございます。

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