議会報告

2025年2月定例県議会(本会議)の一般質問の報告
1.農業振興について

(1)農業経営基盤強化促進法に基づく地域計画の策定状況はどうか。
答弁内容(農林水産部長 前田 敏也)
1.県では、今年度末までに地域計画が策定できるよう、千葉県農業会議等とも連携し、先行地区の取組事例の周知や、話合いをまとめる手法の研修会を開催するなどの支援してきたところです。
2.令和6年11月末時点において、計画策定が予定されている742地区のうち、約6割で地域の将来像についての話合いが終了していますが、計画の策定は40地区、全体の5.4%にとどまっています。
3.引き続き、市町村の進捗を随時確認しながら、その状況に応じて直接市町村を訪問し、将来像を描くことが難しいなどの課題がある地区に対しては、地域の話合いの場で積極的に助言を行うなど、年度内の策定に向け伴走型の支援に努めてまいります。

(要望)
年度内の策定に向けて、市町村の進捗状況や課題をしっかりと把握しながら、必要な支援をより積極的に行うよう要望する。

(2)地域計画が策定された地域の農地の所有権移転が円滑に行われるよう、県はどのように取り組むのか。
答弁内容(農林水産部 前田 敏也)
1.県では、地域計画が策定された地域において、農地の貸借に加え所有権移転により農地を集積・集約化することは、担い手の今後の農業経営を見通す上でも重要と考えています。
2.地域計画に基づく農地の所有権移転については、来年度から、農地中間管理機構を介した手続きになることから、県ホームページやSNSによる情報発信に加え、今後は、機構と連携し、窓口や必要書類などの情報を掲載したパンフレットを作成するなど、周知に取り組んでまいります。
3.また、機構における事務処理や、所有権移転の手続きを行うための職員配置に必要となる経費等を来年度当初予算に計上したところであり、機構の体制強化を図りながら、地域計画による農地の所有権移転が円滑に行われるよう取り組んでまいります。

(要望)
地域計画の実行には、農地中間管理機構の果たす役割が非常に重要となっているので、県で十分な予算を確保し、体制強化と機構との連携にしっかり取り組むよう要望する。
2.成田湯川駅付近への新駅設置について

J R 成田線と京成成田スカイアクセス線が交差する成田湯川駅付近への新駅設置について、J R 東日本に働きかけるべきと思うがどうか。
答弁内容(部長 冨沢 昇)
1.我孫子市など沿線6市町で構成する成田線活性化推進協議会は、京成電鉄の成田湯川駅付近にJR成田線の新駅が設置された場合、J R から京成成田スカイアクセス線への乗換えが可能となり、成田線を利用する空港利用者が増加することなどが考えられるとして、JRに対し、要望活動を行っているところです。
2.県としても、こうした地元の意見を踏まえ、今年度も、県と市町村等で構成する千葉県JR線複線化等促進期成同盟を通じ、JRに対し、新駅の設置を要望してきたところであり、引き続き、利便性向上に向けて、沿線市町と連携を図ってまいります。

(要望)
空港や都心へのアクセス向上だけでなく、増発にもつながる新駅の設置について、引き続き、J R にしっかりと働きかけていただくよう要望する。
3.小児医療について

(1)小児科医の確保に県は今後どのように取り組むのか。
答弁内容(知事 熊谷 俊人)
1.小児医療の需要に安定的に対応し、本県の小児医療提供体制を将来にわたって確保していくため、小児科医の養成に取り組むことが重要と認識しています。
2.そこで、県では、小児科を希望する医学生向けの支援の充実を図るため、小児医療に力を入れる病院の見学バスツアーなどの新たな企画を検討しているところであり、医学生に対する一層の働きかけに取り組んでまいります。
3.さらに、医師修学資金貸付制度利用者のうち小児科希望者を対象に、貸付額を加算するほか、関係医療機関と連携し、返還免除要件に沿う形でのキャリア形成を支援するなど、県内に勤務する小児科医の確保に向けた総合的な対策を講じてまいります。

(2)小児科診療所を増やす取組を行うべきと考えるがどうか。
答弁内容(知事 熊谷 俊人)
1.県内の小児医療の需要に対応するためには、小児科医の養成・確保を図るとともに、少子化の傾向も踏まえて、医療機関の役割分担と連携を促進し、県全体として効果的な小児医療提供体制を構築していくことが重要です。
2.そのため、県では、これまでも内科医等を対象とした小児救急に関する研修会などを実施してきたところですが、県内の医療関係者からは、小児の外来診療に対応できる内科医等の養成に向けたさらなる取組の充実が必要との意見が出ています。
4.介護人材について

(1)介護現場における職場環境の改善について、どのように取り組んでいくのか。
答弁内容(健康福祉部長 岡田 慎太郎)
1.介護人材の不足が見込まれる中、介護に携わる職員がやりがいをもって働き続けられる環境を整備することが重要です。
2.県では、介護事業所における、職場環境を含めた業務改善の取組を支援するため、介護業務効率アップセンターを設置し、事業者からの相談にワンストップで対応しているほか、職員の業務負担の軽減に資する介護ロボット等の導入を支援しているところです。
3.また、本年1月からは、利用者等からのカスタマーハラスメントに関する、事業者向けの法律相談窓口を開設したところであり、今後も働きやすい職場環境づくりを支援してまいります。

(要望)
東京都では、独自の処遇改善を今年度から実施しており、県北西部の事業所などから、介護人材の都内への流出を懸念する声が上がっている。
国に対し、速やかに介護職員の十分な処遇改善を実施するよう、強く働きかけるとともに、県独自の対策について検討するよう要望する。

(2)県内の介護福祉士養成校の充足率と学生への支援の状況はどうか。
答弁内容(健康福祉部長 岡田 慎太郎)
1.現在、県内に介護福祉士養成校は12校あり、令和元年度の定員は548名、入学者数は250名、充足率は45.6%でしたが、外国人留学生の入学者数の増加等により、令和6年度の定員は575名、入学者数は387名、充足率は67.3%と充足率が上昇しています。
2.県では、介護福祉士養成校の学生に対し、経
済的負担を軽減するため、修学資金の貸付けを行うとともに、千葉県留学生受入プログラムにおいて、介護職への就業を目指すベトナム人留学生等に対し、在学中の居住費を支援しているところです。
3.今後とも、介護福祉士の増加に向けて、介護福祉士養成校の学生への支援に取り組んでまいります。
5.災害対策について

(1)災害時における外国人への対応は、どうなっているのか。
答弁内容(防災危機管理 部長 添谷 進)
1.県内に在住または滞在している外国人が、災害時に迅速な避難行動を取るためには、日頃からの備えや、避難情報等を理解しやすいように伝えることが重要です。
2.このため県では、平時において、防災啓発サイト「じぶん防災」や外国人向け生活ガイド「ハローちば」により、日頃からの備えや災害時の情報の入手方法を多言語で案内しているほか、災害時に外国人を支援するボランティアの養成などに取り組んでいるところです。
3.このほか、災害時においては、「災害時多言語支援センター」での情報発信や相談対応、避難所への語学ボランティアの派遣なども行うこととしており、外国人にも対応した災害時の対策の充実に努めているところです。

(2)本県を訪れる訪日外国人の安心・安全を確保するための対策をしっかり講じるべきと考えるがどうか。
答弁内容(防災危機管理 部長 添谷 進)
1.ビジネスや観光などで本県を訪れる外国人が、災害発生時に適切に避難行動をとるなど、安全を確保するために、災害の状況や避難情報等をわかりやすく伝えることが重要です。
2.県では、防災ポータルサイトにより、避難指示や避難所の開設などの情報を多言語で発信しているほか、市町村が実施するピクトグラムを活用した案内看板の設置等、外国人にもわかりやすい情報提供の取組に対する財政支援も行っております。
3.今後も、やさしい日本語や多言語による防災リーフレットを作成するとともに、市町村や国際交流団体と連携して災害時の避難行動等について周知を図るなど、外国人の安心・安全の確保に努めてまいります。

【再質問】
訪日外国人対策の地域防災計画における位置付けはどうか。
答弁内容(防災危機管理 部長 添谷 進)
県の地域防災計画におきましては、県内に在住または滞在している「外国人」に対する配慮につきまして、市町村や関係機関と連携し、多言語により情報提供すること、それから災害時の多言語支援センターを設置すること、避難所への語学ボランティアの派遣などについて位置付けを行っているところでございます。

(要望)
訪日外国人には「短期滞在」としての特性にも考慮した対策が必要と思うので、防災、国際、観光など庁内横断的に訪日外国人の災害対策の取組を進めるよう要望する。
6.エネルギー価格高騰に伴う生活者支援について

(1)これまでのLPガス料金負担軽減に係る県の取組状況はどうか。
答弁内容(防災危機管理 部長 添谷 進)
1.県では、これまで2回、LPガス販売事業者を通じて料金の値引きを実施し、国による都市ガス料金支援と同等の効果が得られるよう、LPガス利用世帯の負担軽減を図ってまいりました。
2.1回目は令和5年8月・9月のガス料金から最大2,400円を、2回目は令和6年3 月から5 月までのガス料金から最大1,200円の値引きを実施したところです。
3.これらにより、県内のLPガスを利用する約83万世帯に対して、合わせて約28億円の支援を実施いたしました。

(2)今回の事業における支援額の考え方と今後の取組はどうか。
答弁内容(防災危機管理 部長 添谷 進)
1.国では都市ガス利用世帯に対して、令和6年度において8カ月分の負担軽減策を実施しているところですが、LPガス利用世帯は対象となっていないことから、引き続き支援をする必要があります。
2.そこで県では、国の交付金を活用し、都市ガスで実施している国の負担軽減策に見合う金額として、世帯あたり最大1,300円を支援することといたしました。
3.今後、令和7年度の早期にLPガス料金の値引きができるよう、販売事業者等の協力を得ながら、速やかに手続き等を進めてまいります。

(要望)
予算成立後は、少しでも早くLPガス利用者に支援が届くよう要望する。
7.学校給食費の負担軽減ついて

食材の物価高騰への対応として、学校給食費の負担軽減を図るべきと考えるがどうか。
答弁内容(教育長 冨塚 昌子)
1.県教育委員会では、食材等の価格高騰が続く中で、給食の質を維持し、急激な学校給食費の値上げを防ぐため、2月補正予算において、国の交付金を活用し、給食を実施している県立学校を対象に、令和7年4月から令和8年3月まで、食材費の高騰分を県が負担する経費を計上したところです。
2.また、市町村についても、県と同様に、物価高騰対策を実施するための国の交付金が措置されることから、県として情報の提供や、個別の相談への対応などを行い、引き続き支援を行ってまいります。

(要望)
安定的な給食の提供を行うためには、学校給食費の保護者負担の軽減が必要と考えるので、是非、市町村に対する県の支援をさらに充実するよう要望する。
8.交通規制について

(1)信号機のない横断歩道の廃止など、地域住民の生活に大きな影響を及ぼす交通規制を見直す場合にはどのような手順で進められているのか。
答弁内容(警察本部長 宮沢 忠孝)
交通規制の見直しに際しては、見直しを行う交通規制の種類や規模などに応じ、看板の設置や住民説明会などの方法により、道路利用者や地域の方々の意見を聴きながら実施していくこととしております。

(2)道路標識や道路標示を撤去する時期に合わせ、地元市町村や住民への周知はどのように行われているのか。
答弁内容(警察本部長 宮沢 忠孝)
道路標識や道路標示の撤去時期に合わせた周知については、見直す交通規制の種類や見直し後の影響等を考慮し、個別に判断していくこととしています。
その上で、道路標識等の撤去に当たっては、地元市町村の担当部署と情報共有を図るとともに、住民に対しては、必要に応じて広報紙への掲載や看板の設置等により周知を図っているところです。

(要望)
交通規制を実施する際はもとより、廃止を検討する際にも道路利用者や地域住民の意見を効果的な方法で聴取していただき、理解のもとに進めていただくよう要望いたします。
また、標識や標示の撤去時期についても、撤去後の安全を確保するために地域住民や地元市町村に対し、効果的な方法で周知を図っていただくよう要望させていただきます。
9.地域の諸課題について

(1)我孫子市下ケ戸地区の産業用地の創出について、県はどのように取り組んでいくのか。
答弁内容(商工労働部長 野村 宗作)
1.我孫子市の中央部に位置する下ケ戸地区は、鉄道や国道などへのアクセスも良く交通利便性も高いことから、市では、多くの雇用に繋がる商業系や工業系等の企業の立地を念頭に、サウンディング調査など、産業用地の創出に向けた検討を行っていると伺っております。
2.県としては、この下ケ戸地区については、雇用確保の優位性や大手製造業の事業所との近接性から、製造業の工場や研究所の誘致に有望な地域であると考えており、現在、望ましい産業用地の在り方について市と協議を進めているほか、農地転用等の土地利用調整についても、協議を始めているところでございます。
3.引き続き、市と連携して、早期に産業用地の創出が図られるよう取り組んでまいります。

(要望)
産業用地の創出については、下ケ戸地区は本当に有望な場所だと思っております。我孫子市の意向をしっかりと聞きながら、産業用地の整備や土地利用調整について、丁寧に支援していただき、産業用地の創出に繋げていただくよう要望します。

(2)我孫子市若松地区における手賀沼湖岸堤の遊歩道の進捗状況はどうか。
答弁内容(県土整備部長 四童子 隆)
1.手賀大橋上流側から手賀沼公園までの約1.1キロメートル区間の湖岸堤防は、平成26年度から整備に着手し、平成29年度に築堤のための盛土が完成しました。
2.遊歩道や管理用通路につきましては、盛土の安定を待って、整備することとし、周辺住民と県市との間で利用についての協議が整ったため、令和2年度から遊歩道整備に着手しました。
3.手賀大橋側の約0.5キロメートル区間につきましては、昨年10月に先行して開放したところであり、残る手賀沼公園側の約0.6キロメートル区間につきましては、地元市と調整を図り、今月中に開放する予定です。